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靴下のかしこい選び方

現代生活の中で"靴下"は無くてはならない衣料品です。"靴下"は、空気の動きのない靴の中で着用され、時にはソックスのまま歩かれたりする衣料品です。

しかも、ファッション的な要素、TPOに応じた選択、近年目に付く健康関連に係わるもの等、"靴下"を購入するにも用途別の選び方が増えているのです。

ファッション又はTPOでの選び方は、最近の婦人靴下では欠かせない要件となっていますが、紳士靴下は素材感・色感と価格での選択が多いようです。ファッションに合わせた感性のある"靴下"にも、もっと多くの方に目を向けていただきたいものです。

"靴下"の専門家から見ると、品質表示の信頼度、着用感、洗濯後の状況を想定するとかなり無理した作り方だなーと思われるものが最近目につきます。「靴下」とは、「感性と機能(品質)」を兼ね備えて初めて生活者に満足を与えられる衣料品だと、国内において製造している各企業は日夜努力をしています。

靴下の部分(ゴム部・身部・かかと部・足部・つまさき部)の図説です。

"靴下"は円筒状の編機で、右図のようにゴム部から編み始め、身部を編み、かかと部、足部、つま先部まで自動的に成形しながら編まれます。
その後、つま先部の口の開いた部分を別の機械で縫合わせ、"靴下"の形になるように、蒸気でセットして最終の形となります。

"靴下"には、下図のような2種類のゴム部があります。

シングルゴムとダブルゴムの図説です。

"靴下"を購入するとき、デパートへ行ってもあまり品質的な事の説明は少なく、結果的に自分で選択して購入しているのが現状ではないでしょうか。又、量販店でも当然同じでしょう。
"靴下"は、下着と同様に着用して購入できるようになっていません。それだけに経験と勘が必要になってきますが、国内製品については平均的に品質は世界一といわれるように安定しているのも事実です。
その"靴下"の選び方には、いろいろな方法がありますが、上記の作られ方から、下記を条件として選んでみるのも一つの方法と思います。

1.つまさき部の縫合方法による選別

  1. ① リンキングによる方法
    編み目一目、一目を縫合する方法で、継なぎ目がフラットで、肌に当たらない。作業が大変でその工賃は高い。説明シールはほとんど無い。
  2. ① ロッソによる方法
    リンキングの縫合方法を機械化したもので、継なぎ目はリンキングに比較するとゴロツキがある。継なぎ目が蛇行するケースがある。この方法はソックスに使用される糸使いとか、作業者の熟練度によって差が出てきます。

選び方のこつ ぴったりとした靴を履くときは、出来るだけ継なぎ目がフラットな方が良いのは当然である。購入するとき、縫合部分を触ってみて、つまさき部と足部の厚さを比較してみると良い。

2.ゴム部での選別

靴下編機のゲージ、糸使いによって変わってきますが一般的にゴム部を分析してみますと

(1) シングルゴムの場合

  1. ① トップ部の糸の端が飛び出ない靴下が良い。
    • (a) ゲージの細かい編機には、トップにウーリーナイロンが使用されているケースが多いので安心である。
    • (b) ゲージの粗い編機には、トップにウーリーナイロンが使用されていない物もあるので観察するポイントの一つである。
    • ☆糸端があると、着用者が引っ張って切ってしまうことがあるケースが多いので注意が必要である。
  2. ② ゴム幅が狭いのは、着用したときゴムがきつい傾向。
    • (a)身部と比較して、異常に狭いものはさける。
  3. ③ 足の太い方、着用後ゴム部の縦線が残る事がある。

(2) ダブルゴムの場合

  1. ① ゲージの細かい編機は少ないが、ゲージの粗いソックスは2重になっているだけ、洗濯後ゴム部きつく感じることがある。
  2. ② 着用後、シングルゴムと違ってゴム部の縦線が残ることは無い。

(3) 足の太い方用又は、肌アレルギーの方用にゴム部を特殊編成したソックスがある。

  1. ① ゴムが入っていないソックス
  2. ② ソフト口ゴムソックス
    • ☆ 説明シールが付いている。

3.その他の選び方

(1) かかと部の大きさ

"靴下"に使用されている糸使いにもよるが、最近のソックスはポリウレタン(スパンデックス)使いが多いので、かかと部が小さいと着用中、かかと部が靴の中に入って着用感が悪くなると共に、かかと上部のところが擦り切れることがある
☆かかと部を下図のように大きくして編んだソックスもあるので参考にして下さい。

かかと部の大きさの図説です。